第11章 竈門炭治郎
胡:「眠れないんですか?」
炭:「あの人は、本当に助かるんですか…?」
善:「どんどん命の音が弱くなってるよ…」
伊:「死ぬだろ、あれ」
胡:「えぇ、さんはなんども医者が皆諦めてしまうような怪我や病を治してきましたが、今回の人は無理でしょう。絶望的です。助かる可能性は無いに等しい。」
伊:「なのにどうして、あんなに一生懸命やってんだ?」
胡:「さんは、どうせ死んでしまう命なら、助けられるよう足掻いて奇跡を願うくらいしたいと言っていました。諦めていないんですよ、どんな命も。たとえそれが絶望的だったとしても。息が止まり、心臓が止まるまでは。」
炭:「どんな命も…」
胡:「恐らくかなり時間がかかります。手術が終わるのは明け方になるでしょう。皆さんも早く寝てくださいね。」
その時だった。
ガラッ
杏:「!迎えにきた!遅くなってすまない!む?どうしたのだ!」
冨:「…」
炭:「冨岡さん!」
善:「なんなの?あの人たち、さんのこと名前で呼んでるし。」
伊:「なんか強そうだな…。」
胡:「煉獄さん冨岡さん、今、さんは遊さんと、遊さんの師範を手術してます。おそらく明日の朝までかかると思うので今日は帰って…」
杏:「なら待っていよう!」
杏寿郎はそういうと処置室の前の椅子に座った。
善:「ねぇ炭治郎、あの人たち誰なの?」
炭:「あっちの人は水柱の冨岡義勇さん。あっちは、えっと…」
胡:「炎柱の煉獄杏寿郎さんですよ。さんの恋人です。」
善:「えぇぇぇぇ!あんな暑苦しい人が!?まだ遊って人のほうが許せたよ!?」
炭:「善逸!なんて失礼なこと言うんだ!」
胡:「いろいろあって、やっと結ばれたんですよ。2人は。」
そんなことをしばらく話して、冨岡は家へ帰り、しのぶと炭治郎たちは眠りについた。
杏寿郎は達の手術が終わるまで処置室の前で待っていた。