第10章 成長
怜:(私が…私が先生を…もし、先生に何かあったらどうしよう…私のせいだ…)
千:「…怜、きっと大丈夫だよ。」
怜:「大丈夫じゃなかったら!?先生はどうなるの!?」
杏:「怜の不安な気持ちもわかる。だが今は、なんでもないことを願って待つしかない。落ち着こう。」
杏寿郎は怜と怜の背中に手を当てる千寿郎、2人の肩に手を置いた。
一方隔離されてるはというと
:(きっとなんでもない、大丈夫、なんとかなる。…でももし、本当に感染してしまうような血鬼術だったら…?私もあんな風に症状が出たら…?きっと怜が自分を責める…また怜が傷ついてしまう…杏寿郎さんも悲しんでしまう…)
が、はぁ、とため息をついた時だった。
不:「よォ。ため息ついてどうしたァ?」
ドアの外から声が聞こえた。
:「不死川さん…この状況で元気な方がおかしいじゃないですか…」
不:「きっとなんでもねぇよォ。安心しろォ。」
:「…なんでもあるかもしれないじゃないですか…」
は堪えていた涙が溢れた。
不:「…っ、泣いてんのかァ…」
:「…泣いてなんか…っ!?」
が驚くのも無理はない。不死川が部屋に入ってきて、後ろから抱きついて来ていたのだ。
:「不死川さん!?バカなんですか!?私は隔離されてるんですよ!?防護服もなしに入ってくるなんて!」
不:「好きな女が不安で泣いてるってのに、1人っきりにできる男がどこにいるってんだァ?」
:「…不死川さん今もしかして…」
不:「が誰を好きかなんてよぉく分かってるよォ。だけど俺の気持ち伝えるだけなら問題ねぇだろォ?」
:「…もし、感染性の血鬼術だったら、うつってしまいますよ…?」
不:「そんなの今まで聞いたことねぇから、大丈夫だァ。安心しろォ。」
の杏寿郎への気持ちは変わらないものの、不死川の言動で安心できたのも、紛れもない事実だった。
事件から1週間が過ぎ、ようやく検査結果が出た。
胡:「血鬼術の検査結果は…