第10章 成長
時の経過の中で、にいろいろな変化があったように、怜にもいろいろな変化が起こっていた。
一つ目の変化は千寿郎への気持ちだ。
千:「怜!これをさんのところに持ってってくれないか?研究に必要らしいんだ。」
そう言って手渡してきたのは、紙の束だった。
怜:「うん、分かった」
受け取ろうとした時、少しだが千寿郎の手が怜の手に触れた
千:「ありがとう。助かるよ。」
千寿郎がそう言うと怜は何も言わないまま顔を真っ赤にしてそそくさとの部屋へと向かっていった。
怜:「失礼します。」
:「あら、怜が持ってきてくれたの、ありがとう。ん?どうしたの?怜、顔が真っ赤よ?熱でも…」
怜:「ありません!」
:「?そう…。あ!もしかして、千寿郎くんと何かあったの?」
がニヤニヤしながら怜に聞く
怜:「何にもありません!」
:「何があったの〜?話してよ〜怜〜、それとも私には話せないの?」
は怜を抱きしめながら話した後、眉を下げてそう言った。
怜:「…。先生、最近私、変なんです。」
:「どんな風に?」
怜:「千寿郎と話したり、少し手が触れ合ったりすると、胸がドキドキして、体温が一気に上昇して、何も考えられなくなっちゃうんです。これはどういった病なんでしょうか?」
:「それはね、恋の病よ。怜は千寿郎くんのこと男の子として好きなのよ。」
怜:「千寿郎を…好き…?」
:「そうよ。きっとそのうち嫌でも分かるようになるわよ。その時が楽しみね。さっ、早く千寿郎くんと一緒に夕飯作ってらっしゃい。」
そう言って怜はの部屋を出された。
そう、怜も千寿郎のことを好きになっていたのだ。