第10章 成長
の父の月命日となった日の夜、は縁側に座りながら月を眺めていた。
:「父さん…」
杏:「、隣に座ってもいいか?」
:「杏寿郎さん、はい、どうぞ」
杏:「の父君もと同じく素晴らしい人だったな!」
:「…ずっと後悔してるんです私…父のこともっと理解しようとしていれば…そしたら父さんはきっと、まだ生きてた…」
杏寿郎は涙を流すをそっと抱きしめた
杏:「そうかもしれないな。だが、だからこそ怜と出会えたのではないのか?父君と離れて過ごした日々は無駄なものではなかったはずだ。それに、父君も言っていたではないか、自慢の娘に見送られて幸せだと。蟠りが解けぬまま死別するものもいる。そんな中君は、自分で調べてまで蟠りを解いた。、君は立派だ。自分の行動を悔いること、恥じることは何一つない。」
:「杏寿郎さん…」
杏:「、この前の返事を聞かせてはもらえないだろうか?」
:「私は…杏寿郎さんとこの先もずっと一緒に、過ごしていきたいです…。」
は顔を真っ赤にしながら答えた。
杏:「一生俺が守ると誓おう。、愛している。」
2人はゆっくりと近づき、優しい口付けを交わした。
杏:「これからいろいろなことがあるだろう。だがどんな困難も2人で乗り越えていこう。一緒に。」
:「何があっても大丈夫です。杏寿郎さんとなら、きっと。」
2人が結ばれてからというもの…
杏:「!今日は何時ごろ帰るのだろうか!」
:「日の入りまでには…」
杏:「!迎えにきたぞ!」
:「今行きますね」
杏:「!今日の昼は一緒に食おう!」
:「え?あぁ、はい…」
杏:「!」
周りにいる者が苦笑いしてしまうほど、杏寿郎はのことを溺愛していた。
:「杏寿郎さん、気にかけてくださるのは嬉しいですが、蝶屋敷にまで来られるのは困ります。」
杏:「むぅ。分かった!善処する!」
は分かってないなと思うのだった。