第9章 父親
産屋敷邸に伝えに向かった怜と千寿郎はというと
千:「まだ柱合会議終わってないみたいだね。」
怜:「今入ったらまずいの?」
千:「うん、会議だからね、終わるまでここで少し待とう。」
2人が門の前で待っていると程なくして柱合会議は終わり、1番初めに冨岡が出てきた。
怜:「あ、冨岡さん」
千:「兄上!」
みんながこちらを振り向く
杏:「千寿郎!どうした!」
千:「さんが帰ってこられました。今蝶屋敷にいらっしゃって、さんの父上の元へ行っています。」
杏:「そうか!帰ったか!では今すぐ行こう!」
杏寿郎としのぶが蝶屋敷へと向かうとなぜか全員ついてきた。
の父親がいる病室へと着くと、が泣きながら話す声が聞こえた。
:「… 父さんは世界一優しい人だよ。兄さんの優しさは父さん譲りだったんだね。兄さんの目を治すために、出稼ぎに行ったのに、その兄さんは治らないまま死んで、その出稼ぎのせいで母さんの病気に気付けず、葬儀にも間に合わなかった、それなのに私に罵られ…どれほど辛かったことか…」
柱たちはそこから黙って2人の様子を見ていたのだ。もちろん、千寿郎と怜も。
玄関のほうへと着いたはそこにしゃがみ込んで、嗚咽を漏らすほど泣いていた。
:「ひっ、ひっく…う、うぅ…ひっ…」
遊:「…偉いな、ちゃんと、誤解を解くことが出来たじゃないか。死ぬ前に解けたんだ。間に合った。大丈夫だ。」
遊はをそっと抱きしめたが、それでも泣き止むことはなかった。
そこへ柱たちがやってきた。