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優しさに溢れた君は…[鬼滅の刃/煉獄落ち]

第9章 父親


遊:「…廊下のところで倒れてた。今うちの病院に運んで安静にしてもらってる。」

:「症状は?」

遊:「…おばさんと同じ、肺炎だ。しかも結構進んでる。恐らくもう…」

:「先は長くないのね。持ってどのくらい?」

遊:「……3ヶ月ってとこだろう。」

:「…そう。」

遊:「最後くらい、そばにいてやったらどうだ?」

:「出来ない。私にはこっちの仕事がある。3ヶ月も空けるなんて無理だよ。迷惑かけられない。」

杏:「なら、蝶屋敷に移したらどうだろうか?それならばも毎日見に行けるだろう。」

:「あの人のためにわざわざそんな…」

遊:「、曲がりなりにもお前の父親だぞ。最後くらい見届けてやれ。ここで見届けなかったらあんだけ毛嫌いしてた父親と同じになるぞ。」

:「…分かったよ。しのぶさんに後で話をしておくからまた…」

杏:「、今すぐ行くんだ。今日中に移らせた方がいい。胡蝶には俺が話を付けておくから。」

:「でも…」

杏:「でもじゃない。命令だ。」


は渋々了承し、遊と病院へ向かい、杏寿郎も胡蝶から承認を得たので父親を蝶屋敷へと移動させた。





それから2週間が経った夕暮れ時


は1人で父親のいる病室に来ていた。

:「皮肉ね、側にいなかったがために気づけなかった妻の病気と同じ病で、あなたは苦しんでる。自分の病にすら気づけないほど、落ちぶれていたなんて思ってなかったわ。死ぬ間際でさえ、兄さんと母さんの側にいなかったバチがきっと当たったのよ。」

父親はずっと眠っているためもちろん返事はない。

は静かな部屋を後にして、今日は悲鳴嶼と煉獄邸へ戻った。




翌日
また遊がやってきた。

:「はぁ、今度は何しにきたのよ。来すぎじゃない?」

遊:「今日は俺もやることがあるからな。要件を言ったらすぐ帰る。仁矢崎の成宮という医者を訪ねろ。」

仁矢崎というのはたちの住む町から2つ隣にある街だ。

:「なに、いきなり?」

遊:「その医者は…
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