第7章 鬼舞辻無惨
胡:「悲鳴嶼さん、不死川さんお二人をこちらに」
悲鳴嶼と不死川は胡蝶に促されると村人2人を言われた場所に寝転がらせた。
:「聞こえますか?聞こえたら手を握ってください」
村人A:「っ…に…、お…」
:「喋らないで、ただ生きることだけを考えてください。…だめだ、血で汚れた箇所が多すぎてどこに致命傷があるのか確認できない…。」
その時村人はの手を握った。
:「っ?どうしました?」
村人A:「っ…に…、お…に…、は…や…っに…ろ…」
そう言って村人は力を失った。
:「…。ご冥福をお祈りします。胡蝶さんそちらの方は?」
胡蝶は静かに首を振り、間に合いませんでしたと言った。
不:「そいつは死ぬ前なんて言ってたんだァ?」
:「おに、早く逃げろ、とだけ。」
悲:「死ぬ間際も我らの身を案じてくれるとは…可哀想だ…」
胡:「今回助けられる方はもう居なそうですね。」
杏:「いや!ここにいる!」
杏寿郎は両足を骨折し、肩を震わせた中年の男性を背負って戻ってきた。
胡:「その方はまだ助かりそうですね。煉獄さん、こちらへ」
男:「助けてくれ!助けてくれぇ!」
そう言っての足にすがった。
は目を見開いたまま動かなかった。
杏:「む?どうしたのだ?彼は比較的軽傷で済んでいる!」
:「助けてくれですって?ふざけるのも大概にしてほしいわ。」
は足元にいる男性を睨みつけた。
がこんなに怒った顔で、こんな言葉を発するのを見たことがなかったため、驚いたのはもちろん、いきなり言われた男性も目を丸くして驚いていた。
胡:「さん、どうしたのですか?この方は確実に救えそうな生き…」
は胡蝶の言葉を聞き入れもせず、被せるように言った。