第2章 出会い
はそう言われても次の現場でも困ってる人は大勢いるらしい上に、1人のために足を止めるわけには…と思っていた
そして怜が口を開いた。
怜:「次行く場所でも困ってる人がたくさんいるんです。1人のためにここで足止めするなど、たくさんの命が待っていると言うのにできません。」
杏寿郎はさっきより真剣な顔つきで
杏:「分かっている。だが、俺たちの大切な人なんだ。」
と言った。
それを聞いたは、彼はいつになく真剣な顔で"俺たち"の大切な人なんだと言った、ということは彼個人の意思で言っているのではなく、彼の働く組織の大勢がそう思っているのだろうと思った。
そして少し考え、近くの店を指差しながら言った。
:「分かりました。3日後あの甘味処で待っています。ただ3日間ずっとここで足を止めるわけには参りませんので、次の町へ向かい、また3日後にこちらに戻ってきます。それでもよろしいですか?」
怜:「先生!そんなこと…」
:「怜。私はできないことは言わないわよ。違う?」
怜:「そうですけど…」
杏寿郎はいつもの表情に変わり
杏:「承知した!では3日後あの甘味処で落ち合おう!」
そう言って杏寿郎は2人の元から去っていった。
そして2人も次の町へと向かっていった。
まるで逢瀬の場所を決める男女のようだ!と思っていたことは杏寿郎以外の誰も知らなかった。