第6章 蝶屋敷
とある日
隠A:「胡蝶さま!さま!こちらの隊士をよろしくお願いします!」
隠B:「かなり深傷の傷を負っていたので、もうダメかと思ったのですが、まだ微かに息がありましたので、連れて参りました!」
胡:「そちらに寝かせてください。…これは、助かる可能性が低いですね…。失血が多い上に、動脈が切られています。残念ですが…」
:「私に任せてください。輸血があれば助けられる。怜、手伝って」
怜:「はい。」
胡:「さん、無理です。動脈が裂けてるんですよ?心音も弱いですしもう…」
:「どうせ死んでしまう命なら助かるか試してからでも問題ないはずです。しのぶさんに手助けは求めませんから、輸血のある場所だけ教えていただけますか?」
胡:「アオイ、輸血を持ってきて、血を無駄にしないでくださいね。私は無駄になる気しかしませんが。」
ア:「持ってきました。しのぶ様、あんなの助かる可能性は低いです。輸血する前に止めた方が。」
胡:「ここでわかってもらったほうが後々彼女のためにもなるでしょう。今日は彼女に任せます。」
:「…よし。怜、少し診ててね。」
怜:「はい。」
ア:「すごい…本当に救った…」
:「終わりました。まだ安心はできませんが、恐らく今日を乗り越えれば大丈夫でしょう。」
胡:「輸血は無駄にならなかったようですね。さすがです。確かに、技術の面では私よりも優れているようですね。」
:「私は優れているんじゃありません。ただ諦めないだけです。」
胡:「ただ、全てにおいて優れているとは思ってないですよ。薬学においてはあなたに劣りません。私が鬼の首を切れないのに柱にまでなれた理由は、鬼を殺せる毒を作ったちょっとすごい人だからなんです。」
:「そうなんですね。では、私が知る薬で対処できない場合はしのぶさんに相談させていただきますね。」
この出来事があってから、アオイは2人を睨んだり、冷たくすることは無くなった。が、しのぶは相変わらず2人をあまり好んではいないようだった。