第6章 蝶屋敷
き:「最後にここがお二人のお部屋になります。」
す:「私たちはいつでも屋敷の中におりますので、いつでも声をかけてくださいね。」
な:「お暇が欲しい時もいつでもおっしゃってくださいね。師範もきっとお許しをくれます。では私たちはこれで失礼します。」
:「ありがとう」
:「ふぅ、杏寿郎さんのお屋敷も広かったけど、蝶屋敷もかなり広いわね。覚えられるかしら…」
怜:「そうですね…。でもきっと先生ならすぐ覚えられますよ!…先生、こんなこと言いたくはありませんが、私はあまりあの胡蝶という方と、神崎さんは好きになれません。」
:「あら、どうして?」
怜:「千寿郎が、鬼殺隊にいる人たちはみんないい人だと、私たちが嫌がるようなことはしないと何度も教えてくれました。だから、鬼殺隊の人たちは男性でももう怖くありません。でも、神崎さんは私たちのこと睨んでいましたし、胡蝶さんも初っ端から先生に嫌な質問ばかりしてきました。」
:「んー、きっと一緒に過ごしていくうちに仲良くなれるんじゃないかな?千寿郎くんの時みたいに!」
怜:「そ、それとこれは別です…」
:「まだ分からない時点で判断するのはダメよ、怜。それは医療の現場でも同じよ。分かった?」
怜:「はい…」
その晩煉獄邸では
杏寿郎は縁側で月を眺めながら酒を飲んでいた。
千:「兄上…。本当に良かったのですか?」
杏:「何がだ!」
千:「本当は、さんと怜のこと、後悔しているのではないですか?」
杏:「…そうだな。俺はに惚れている。本当はまだここに置いておきたかった。だが、は遊のことを想っている。それを知りながら素知らぬ顔をして一緒にいられるほど、俺はできた男ではなかったみたいだ…。」
杏寿郎は眉毛を下げながら微笑んだ。
千:「それはまだ分からないではないですか…だって、兄上がさんの口から直接そう聞いた訳ではないのでしょう?」
杏:「あぁ、だが…