第5章 再会
:「あぁ、前に私にも師がいたことをお伝えしましたよね?その師も拠点をおかずに、転々としていました。だから通りすがりの怪我人を手当てすることなどもよくあるんです。この前のように。その助けた相手が、またその人の親族が地主だったり、華族だったりすることがあるので、そういう人からお礼にと結構な金額を定期的に寄付金という形で頂くんです。もともと師範が助けた人たちは、師範が死んだ時、これからは弟子である私にと言ってくださいました。だからあまりお金には困ってないんですよ。」
杏:「そうだったのか。君たちの行いをちゃんと見てくれているものがいるのだな!安心した!」
そんな話をしているとある人物の前では足を止めた。
杏:「む?」
:「遊…」
遊と呼ばれた男性はその声に気がつくと、ハッとした顔でこちらへと駆け寄ってきた。
遊:「!みんな心配してたんだぞ!どこ行ってたんだ!?お前の親父さんだって…ん?、この人は…?」
:「私が今すごくお世話になってる人よ。そんなことより…」
するとの言葉を遮るように大きな声で
杏:「俺は煉獄杏寿郎だ!と一緒に住んでいる!して!君は誰だ!」
杏寿郎のなかには少し黒い気持ちが広がっていたのだ。
:「訳あって居候させてもらってるのよ。私と私の弟子が。」
遊:「なんだ、驚いた、2人きりかと思ったよ…。俺は神野藤遊だ。の幼馴染で、許嫁だ。よろしくな」
遊もまた幼い頃からを好きだったため、杏寿郎に少し黒い気持ちを持っていた。
杏:「!?」
:「!?それまだ有効だったの!?」
2人はいきなりの発言に驚いた。特に杏寿郎は頭を鈍器で殴られたような感覚だった。
遊:「?そんなの当たり前だろ。」
:「はぁ、まぁいいわ。そんなことより遊、頼みがあるの。」
遊:「俺にとっては大事なことなんだけどな…。なんだよ?」
:「1人患者さんを預かってほしい。脳を損傷して、手足、首を骨折した80代の女性よ。」
遊:「!?そんなの、助かるわけがないだろ!」