第20章 何度でも
杏寿郎は夢を見ていた。
:「杏寿郎さん、今日千寿郎くんと怜が2人でこの簪をくれたんです。どうです?」
杏:「そうか!よく似合っている!」
:「ふふ、可愛いですよね。これ、私の宝物になりました。」
杏:「2人にもらったからか?」
:「そうですね、それもあります。でも、杏寿郎さんが今よく似合ってるって褒めてくれたから…。」
杏:「よ、よもや…可愛すぎる…」
杏寿郎は後ろからを抱きしめた。
こんな日が続けばどんなによかっただろうか…鬼がいなければ、前の世でこんな日々を過ごすことができたのだろう。だが、そんなことを思っても過去は変わらない。なら今、この世でその願いを叶えるしかない。
杏寿郎がそう決意すると、ゆっくりと目を覚ました。
するとそこにはがいた。
:「!?煉獄さん!具合はどうですか?もう1週間も眠り続けてたんですよ。」
杏:「…。そんなに寝ていたのか…。」
:「今検査の準備してきますね。」
そう言ってが立ち上がろうとすると、腕を掴まれた。
杏:「行かないでくれ。…今はここにいてくれないか?」
:「…すぐ戻ります、検査はしなくちゃいけないですからね。…話は今日上がったらゆっくり聞きに来ますから。」
杏:「そうか。分かった。すまないな。」
そうこうして、杏寿郎は検査を終え、ベッドに戻り、は仕事を上がり、杏寿郎の元へやってきた。
:「煉獄さん、終わりました。」
杏:「お疲れ様。…、この前のことだが…」
:「煉獄さん。…」