第20章 何度でも
宇:「危険な目に合わねぇと思い出せねぇってわけか。」
怜:「私とお姉ちゃん以外はみんな記憶があるんですか?」
不:「あるぞォ。遊も覚えてるよォ。」
怜:「遊さんも…私、お姉ちゃんに話してみます。そしたら何か…」
宇:「いや、そいつはダメだ。怜、お前、前世の記憶がない時に、前世がどうのこうのとか言われたら信じるか?」
怜:「…」
宇:「そういうことだ。」
冨:「…世の中に意味のないことはない…」
不:「言葉足らなすぎんだろォ。怜、に記憶がねぇのも何か意味があるから気にすんなってことだァ。」
怜:「…そうですか…」
そのとき
ガラッ
:「あら、皆さんお揃いで。怜は診察終わったの?」
が杏寿郎の容体を見にきたのだ。
怜:「うん、終わったよ。薬飲み切ったらもう来なくて大丈夫だって。」
:「そう、良かったじゃない。」
怜:「煉獄さん、まだ目覚まさないの…?」
:「うん…そろそろ覚めてもいい頃なんだけど…。あの、宇髄さん」
宇:「なんだ?」
:「私、もっとずっと前に煉獄さんに会ったりしたことあるんでしょうか…」
蜜:「!?それって…」
話そうとする蜜璃を小芭内が止めた。
宇:「さぁな。なんでだ?」
:「分からないんです…。今まで同業者にも男の人なんてたくさんいたけど、誘われたこともなかったわけじゃないけど、なんとも思わなかったんです。それがなぜか煉獄さんはすんなり受け入れられた。恋するような気持ちになることもあるのに、まるで前から知っている安心感のようなものもある…。それがなんでなのか分からないんです…。」
宇:「俺たちにもそれは分からねぇな。目が覚めたら直接聞けよ、から。」
:「…そうですよね。分かりました。…早く目を覚まして…煉獄さん…」