第19章 何故
杏:「…どういうつもりだ。」
教師A:「先生、私の気持ちに気付いてるでしょう?それなのに、そんな私を放って行っちゃうなんて…私ももういなくなっちゃうのに…」
杏:「あぁ、気づいていた。だが、その気持ちには俺は応えられないことに君も気づいていたのではないか?」
教師A:「…誰か好きな…」
杏:「あぁ、いる。前世から探していたと言い切れるほど心から好いている女性がいる。今日はその女性との約束があった。君には残酷なことかもしれないが、はっきり言わないと分からないようなのでな、言わせてもらう。俺は君とその女性だったら、その女性の方が大事だ。その女性が困っていたなら、助けを求めているなら、何よりも先にそちらを優先する。それに…」
教師A:「分かりました。分かりましたからもう…」
杏:「いいや、やめない。俺は怒っている。もうとっくに約束の時間を過ぎてしまった。彼女はもうそこにいないだろう。君の嘘のせいで、彼女が傷ついた。君は人としてやってはいけないことをしたんだ。教師ともあろうものが嘘をついて、無関係なものを傷つけるなど言語道断だ。俺は彼女を傷つけるものは誰であろうと許さない。今後一切俺には関わらないでくれ。」
杏寿郎はそういうと車に乗り込み、もうそこにがいないと分かっていながらも待ち合わせの場所に向かった。
はと言うと涙を堪えながら帰っていた。
:(私、上手いこと口車に乗せられてただけだったんだ…でもよく考えたらそうだよね…だって、煉獄さんかっこいいし、教師だし、モテないはずないんだよね…私がバカだったんだ…)
杏寿郎が向かった先には案の定はいなかった。杏寿郎はに連絡するために携帯を見た。
:「ちょっと早く着きすぎました!待ってますね」
:「お仕事お忙しいんですか?来る時は焦らないで来てください!飛ばしたら危ないので!」
:「何かありました?」
:「無事でしょうか?心配です。嫌なら会わなくてもいいので、無事かどうかだけ連絡ください。待ってます。」
その他に2件の着信があった。
杏:(心配してくれていたんだな…すまなかった…)
杏寿郎は電話をかけた。