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優しさに溢れた君は…[鬼滅の刃/煉獄落ち]

第19章 何故


3時間前のこと

杏寿郎は仕事が終わらず、少し残っていた。この高校の先生は皆残業が嫌いなため、定時を過ぎても残っているものは少なかった。だが、今日に限っては杏寿郎ともう1人、そう、あの女の教師しか残っていなかった。

教師A:「煉獄先生、残業ですか?」

杏:「あぁ、なかなか終わらなくてな。」

杏寿郎は早くに会いたい一心で黙々と仕事をしていた。

教師A:「手伝いましょうか?」

杏:「いいのか?じゃあ少し頼む。」



教師A:「ふぅ、終わりましたね。」

杏:「あぁ、助かった。悪いな。では俺は…」

教師A:「煉獄先生、ちょっと私の荷物まとめも手伝ってもらえませんか?」

その女性教師は、本当は前年度で異動のはずだったが、異動先の学校の都合上今月末に異動が先延ばしにされたのだ。
幸い待ち合わせの時間までにはまだ少しあったので、手伝うことにした。




教師A:「ありがとうございます、煉獄先生力持ちだからすごく助かっちゃった」

杏:「いや、大それたことはしていないのでな。よ、よも…時間が…では…」

杏寿郎が待ち合わせがあるからと言おうとすると

女性教師がふらついた。杏寿郎は反射的に女性教師の肩を支えた。

教師A:「す、すみません…なんか、ちょっと…熱っぽくて…」

杏:「そうか…ならばタクシーを呼ぼう。少し待っていろ。」

教師A:「だ、大丈夫です…自分で帰れますから…」

杏:「だが…分かった。では、校門までは一緒に行こう。すまないが、俺はこのあと約束があるので送ってやれない。」

教師A:「ありがとうございます…」


2人は校門までやってくると

杏:「では、気をつけて帰れ、何かあったらすぐタクシーを呼べ。」

教師A:「待って、煉獄先生!」

杏:「なん…」

なんだ?と言いながら振り返ろうとしたその瞬間、女教師がキスをしてきた。

杏寿郎はびっくりして一瞬固まってしまったがすぐに肩を掴んで離した。
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