第16章 見つけた
杏:「ただいま!」
瑠:「おかえりなさい杏寿郎」
愼:「おかえり」
千:「おかえりなさい!兄上!意外と帰りが早かったですね!」
杏:「千寿郎!クラス替えはどうだった!」
千:「兄上!やっと、怜と出会えました!怜と同じクラスになったんです!でも、怜の名字が変わってました…。」
記憶が残っているのは千寿郎も例外ではなかった。
杏:「!?そうか!なんという名字になっていた?」
千:「彩色でした。怜は前世では荒金だったはずなんですが…」
杏:「彩色はの名字だ!今もの名字が変わっていなければ、本当の姉妹になったということか…。」
千:「怜は僕のことを覚えていないようでした…。」
杏:「!?怜もか。」
千:「!?"も"ということは、誰か前世の記憶がない人がいたのですか!?もしかして…」
瑠:「母上も混ぜて、その話。」
杏:「よ、よも…」
千:「は、母上に話すのは恥ずかしいです…」
愼:「瑠火、男同士で話をさせてやれ。俺たちはもう寝よう。」
瑠:「本当に寝ますよ。今日はしませんからね。」
愼:「!?そ、そんなつもりは…」
千:「なにをするんです…?」
杏:「千寿郎!そのうち分かる!俺の部屋で話そう!行こう!」
千:「…?はい!」
杏寿郎の部屋にて
千:「兄上、もしかしてさんに会えたのですか?」
杏:「あぁ!だが、も前世のことは何も覚えていなかった!」
千:「さんも…」
杏:「覚えていないのは想定外だったが、俺がすることは何も変わらない。覚えていないのなら、思い出させる!もしくはもう一度好きになってもらうまで!千寿郎もなにも憂うことはない!」
千:「兄上…」
千寿郎は、が自分のことを覚えていないのを辛いだろうにと胸中を察した。自分もショックだったため、兄の気持ちがよくわかった。