第14章 幸福
:「…こんないい妹と弟、そして夫に恵まれて、後悔だらけの人生だったけど、この世にもうなんの未練もありません…」
炭:「…俺、絶対鬼を滅します…絶対鬼舞辻を倒しますから…」
:「炭治郎。これは私の父が言っていたことなんだけどね、人生は短い。大事に生きても短いの。だから、憎しみに飲まれないで。そんなものに、その尊い人生を奪わせないで。憎しみを力に変えて、1人でも多くの人を助けてね。心が綺麗な炭治郎なら、できるよね?」
炭:「…はい…わかりました…」
伊:「もう、に頭撫でてもらってホワホワすることできねぇじゃねぇか!」
善:「…」
3人はボロボロと泣いていた。
:「ごめんね、伊之助、こっちにおいで。善逸も。2人ともみんなのこと困らせちゃだめだからね。伊之助は親分だから、善逸はかっこいいから、みんなのお手本と、なれるよね。」
は2人の頭を交互に撫でた。
伊:「…お、おぅ…」
善:「…はい…」
:「遊」
遊:「なんだ?」
:「怜のこと、よろしくね、遊としのぶさんで導いてあげて。」
遊:「任せろ。」
:「あと、しのぶさんと仲良くね」
胡:「…っ、さんっ…」
遊はしのぶの方を見てから肩を抱いて、にっと笑った。
遊:「おう」
:「柱の皆さんも、どうかご自愛くださいね」
皆口を揃えて分かったと言った。
:「最期に杏寿郎さん」
杏:「…なんだっ…」
:「私のことを愛してくれて、好きになってくれて、ありがとう。どうか来世でも私と一緒になってください。」
そう言っては息を引き取った。
杏:「あぁ、必ず、何度でも君を見つけ出す。そして何度でも、君に結婚を申し込もう。」
杏寿郎は目を見開いたまま涙を流していた。それは後にも先にも、誰もみたことがない涙だった。