第14章 幸福
それから一月程はなんの変化もなく今まで通りに過ごしていた。だが、ついには自力で立ち上がることができなくなってしまった。
しのぶはそんなの様子を知り、杏寿郎とを蝶屋敷へと呼んだ。
胡:「歩けないのに来ていただいてすみません。」
杏:「問題ない!俺が抱えて来ればいい話だからな!」
:「すみません、杏寿郎さん」
胡:「これからのことなんですが、私はやはり蝶屋敷にさんの身を置いてもらった方がいいと思うんです。ただ、さんがいいと思うことが1番いいので、お二人で選んで決めてください。このまま煉獄さんの家で過ごすか、蝶屋敷に身を移すか。」
杏:「が決めていい。はどうしたい?」
:「蝶屋敷にいても、きっと、命が長らえることはない。身の回りの世話をアオイちゃんが常々いてくれてやってくれるから蝶屋敷にいた方がいいってことですよね?」
胡:「はい。」
:「なら、私は杏寿郎さんと家に一緒にいたいです。身の回りのことは怜や千寿郎くんがやってくれます。千寿郎くんに医学の知識はないけれど、怜がそこは庇ってくれるはずですから。少しでも長く、愛する人たちと共に時間を過ごしたい。」
胡:「…分かりました。何かあったらすぐに教えてください。駆けつけますから。」
それから2週間程経った頃、の命の灯火は消える寸前となった。