第14章 幸福
:「杏寿郎さんは、小さい男なんかじゃない。普段の杏寿郎さんなら八つ当たりなんてしない。でも、私のこと聞いて動揺してしまったんですよね。それだけ、私のこと想ってくれてる証拠です。嬉しいですよ、私。」
杏寿郎は強く抱きしめ返した。
杏:「、俺には強がらなくていい。俺にはの弱いところも全て見せてくれ。俺は何もしてやれないから、心配くらいさせて欲しい。共に悲しみを背負うことくらいなら出来る。もう1人でなんでも抱え込まないでくれ、俺たちはもう夫婦なんだ。」
:「杏寿郎さん…私、死ぬのが怖い…ここ2、3日毎日眠るのが怖いの…もしかしたら明日はもう目を覚まさないんじゃないかって…死ぬんじゃないかって…すごく怖いの…。」
杏:「当たり前だ。死が怖くないものなどいない。鬼殺隊は皆死と隣り合わせで戦っている。だが、柱でさえ、死をなんとも思ってないものなどいないんだ。」
:「ねぇ、杏寿郎さん、わがまま言ってもいい?」
杏:「なんだって聞くぞ。」
:「私が死んでも、私のこと忘れないでね。」
杏:「忘れないに決まっている。忘れたくても忘れられないだろう。」
:「あと…、…私が死んだ後、杏寿郎さんが他の人と結婚しちゃうのも…やだな…杏寿郎さんの人生を縛りたくはないんだけど…その…」
杏:「出来ないだろうな。君以上にいい人が現れない限り。だが君以上にいい女性などこの世に存在しないからな、結果的に生涯俺の妻は1人だけだろう!」
:「…嬉しい…杏寿郎さん、大好きです、愛してます。」
杏:「よもや…ここでそんなことを言われては抑えられなくなってしまうだろう。、家に帰ろう。胡蝶からも許可が出た。任務がない時は、片時も離れず側にいよう。」
:「はい。」
家に帰ってから2人が甘い時間を過ごしたのは言うまでもない。