第14章 幸福
翌日、杏寿郎が蝶屋敷へとやってきた。
杏:「胡蝶、の調子はどうだ?」
胡:「痛み止めが効いてるようなので、汗を滲ませたりするようなことはないですよ。自分で聞きに行けばいいじゃないですか。」
杏:「うむ…そうなんだが…。」
胡:「はぁ。煉獄さん、昨日も言いましたが、さんに残されてる時間は少ないんです。1秒たりとも無駄にできないんですよ?さっさと謝らないと、手遅れになりますよ。」
杏:「…そうだな。ではすぐ行くとしよう。そうだ、胡蝶」
胡:「次は何です?」
杏:「を家に連れて帰ってもいいだろうか?少しでも多くの時間を共に過ごしたい。」
胡:「…いいですよ。何かあったらすぐ連れてくること、何もなくても3日に一度は必ず連れてくることを約束できるなら、ですけど。」
杏:「あぁ、約束しよう。」
杏寿郎はしのぶと約束を交わすと処置室へと向かった。
杏:「、入るぞ」
:「はい。」
杏:「肩の具合はどうだ?」
:「しのぶさんの痛み止めはよく効きますね。全然痛くないんですよ。」
杏:「そうか、良かったな…。」
:「はい。」
はにっこり笑って返事をする。
杏:「、すまなかった。昨日のこと。」
:「いいんですよ、杏寿郎さんが怒るのも当然です。私だって杏寿郎さんに嘘つかれたら怒っちゃいますもん。それに私、自分にも嘘を…」
杏:「違う。俺が怒っていたのは、の変化に気づいてやれなかった自分の不甲斐なさにだ。なのにに当たってしまった。それに君が嘘をついていたのは俺たちに心配をかけたくないからだろう?君のその優しさを責めるなんて、俺は小さい男だ。」
は杏寿郎を抱きしめて言った。