第13章 不安
杏:「遊、いつからいたんだ?」
遊:「ついさっきだ。2人が遅いから呼びにきたんだ。いいか、、も怜も1人じゃない。俺たちがいる。怜が間違えそうになったら俺としのぶさんが正してやる。だから大丈夫だ。安心しろ。」
:「遊…」
遊:「腕をなくしてまだ少ししか経ってないんだ。そりゃ悩むこともあるだろ。だけど、腕無くしたくらいでお前を見捨てる奴なんて誰もいない。それだけ覚えときな。じゃあ、俺は先行ってるな。みんな心配するからさっさと来なよ。」
杏:「これは遊に一本取られたな!だが遊の言う通りだ、みんなの味方だ。忘れるな。」
:「ありがとう…杏寿郎さん、遊…」
2人が立ちあがろうとしたときの右肩に鋭い痛みが走った
:「…っ。」
杏:「?どうした?」
:「あ、いいえ、なんでもないです。みんなが待ってるので早く行きましょう。」
杏:「む?そうか!何かあったらすぐ言うんだぞ」
は返事をして気の所為だと自分に言い聞かせながら寺へと向かったのだった。
は成人している柱たちにお酌をしていた。
悲:「…片手で酌をするのはつらいだろう…煉獄の隣にでも行って大人しくしていろ…」
:「平気ですよ。これくらい、それに左手だけで何でもできるようにならないとですから。体の一部が不自由なこと、こんなに不便だとは思いませんでした。悲鳴嶼さんはすごいですね、尊敬します。」
悲:「…尊敬できるのは、の方だろう…私は生まれてからこうだったから慣れているが、途中からそうなっては普通なら心が折れるだろうに…健気に頑張っている…」
:「死んでいった人たちのことを思えば、腕一つくらいで文句なんて言ってられませんからね…。」
悲:「…そうか…無理はするな…」
:「ありがとうございます。」