第74章 72.激裏
「おっ、おい!?」
始めは塩辛く、舌先でツルッとした先端からまだ脈を打ちながら射出される精液。どろっとしてるのかな、と思いきや少しだけさらさらとしている。
…けど。やや苦く、舌にはしつこく纏わりつく味。始めから出したものを全部口に受け入れたら、無理かも知れないな、と少量だけれども嚥下する。
喉がイガイガする…。
静かだな、と見上げたら赤面し口元を片手で隠したゾンビマンがじっと見ていた。
「随分今日は積極的じゃねぇかよ……、よく飲めたな、苦いんだろ?」
『全部は飲めないけど、ちょっとならゾンビマンの精液くらい飲めるもんね。世の女の人たちは良く飲めるなぁって味だけど…』
「……俺のはうまいもんなのか?」
『経験上、誰もがまずい。成分は良いんだけど』
「そうかよ…」
そっと椅子に座ったままに口付けて、ゾンビマンは間を置き、顔をしかめる。砂糖を多く摂るからと言って甘いもんじゃないんだから…。
自分の味を私の口内を通じて知ったんだろう。椅子を鳴らして立ち上がると、一度楽になったのか、元気だったものは通常モードに変わっている。
「それじゃ、気持ちよくしてくれた婚約者さんにはご褒美をあげないといけねぇな?椅子、座れよ」
膝立ちしていた状態から立ち上がり、私は椅子に座る。床に着いていた時の膝の赤い跡はすぐに消えていく。
脚をきっちり付けていたのをゾンビマンは開き、両手で太ももをこじ開けるようにしていった。
『ちょっと、まさかのまさかなんだけど…っ』
「あん?多分まさか、だぜ?」
両膝を着き、両手で私の脚が閉まらないように固定しながら体重をかけ、顔は足の間に埋もれている。
もぞもぞと下腹部を唇が啄む。
『駄目っ』
「おいおい、俺のをしゃぶってくれたろ?」
『ナシ!わざとやってるでしょ、あっ!息っ、掛けないでってば!』
「んー、わざと、だ」