第9章 祈り
その後、食べた皿を片付けて、五条の部屋に戻ってきた4人。それぞれの手には、大小様々な包みがあって。なまえは、そわそわしながら全員がテーブルの周りに座るのを待った。
隣に座った悟サンタと目が合って、2人は同時に、ニッと笑った。
「「第一回!プレゼント交換ターイム!」」
「2人とも、日々息合ってきてるな」
「第一回って、もう来年が確定してんじゃん」
この日のために前もって用意しておいたクリスマスプレゼント。用意した物は、1人一つ。誰のプレゼントが誰に当たるか分からないランダム交換だ。
どうやってプレゼントの渡す先を決める?と問いかける夏油に、なまえは得意気に一枚の紙を人差し指と中指ではさんで、目の前に取り出した。
「あみだくじ、準備しました!」
なまえの言葉に、おー、とノリよく拍手が送られる。縦に4本書かれた線の、下の方は紙が折られて隠されている。
名前を書く順番をジャンケンで決め、左から順番に硝子、五条、夏油、なまえの名前が書かれた。
「自分のプレゼント当たったらやり直しね。それじゃあ順番に発表していくよー!」
紙の折れた部分を伸ばして、硝子の名前が書かれた棒の上を、赤ペンでどんどんなぞっていく。
「はい、硝子がもらうのは、夏油のプレゼントでーす!」
「じゃあ、硝子これ」
「さんきゅー」
「開封は全員一緒にやるから待っててね」
細長くシンプルな包みが、夏油から硝子へと手渡される。雰囲気から、そこまで重い物でもなさそうだ。
次は〜と、ペンの色を青に変えて、五条の名前が書かれた線が青色に染まる。
「五条は、なんと私からのプレゼントが当選でーす!はいメリクリ〜」
「わーい。……なんか不穏な気配がするんだけど…」
「キノセイダヨ。さて次はー」
袋に入った、サッカーボール大の軽い包みを五条に渡すと、緑色のペンと黄色のペンを持つ。
夏油と自分の名前が書かれた線を、同時になぞっていく。
「はい!決定〜!夏油は五条から、私は硝子からのプレゼントでーす!」
「んじゃ、サンタからのプレゼントどーぞ、傑」
「どーも。悟から物をもらうなんて怖いな」
「はい、なまえ」
「ありがと〜!うれし〜!」
平たく、丸い形をした包みを受け取った夏油と、小さな手のひらサイズの包みを受け取ったなまえ。