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花火 ー呪術廻戦ー

第8章 遠出


すっかり日も暮れた頃にホテルに到着した2人。もちろん部屋は別だが、隣同士ではあった。それぞれの部屋へ行き、荷物を置き。
なまえはジュースを浴びてベトベトになった顔を洗い流すため、真っ先にシャワーに直行したのだった。

「あー…さっぱりした…」

身体を洗い終わり、お風呂を出た彼女は、髪を乾かすのもそこそこに、ベッドへと勢いよく身体を沈み込ませた。
お腹も満たされて、身体も綺麗になり。清潔なシーツの香りに、一瞬意識が持っていかれそうになる。

寝てはいけない理由をボゥっとする頭で考えてみる。寝るには少し早い時間、髪がまだ乾いていない…これもう寝てもいいやつかもしれない。
うつらうつらとそう思ったが、ふいに頭に浮かんだのは、先程別れたばかりの、五条の顔だった。


「(いや、さっきまで一緒にいたじゃん!?食べ歩きしまくってたじゃん!?)」


まさか別れてすぐに顔が浮かぶだなんて、恋する乙女みたいで恥ずかしいと枕に顔を押し付ける。みたいも何も、恋する乙女で間違いないのだが。

うーと唸るように枕を抱きしめて、改めて考えても、やはり会いたいなと思う。今日、彼が女の人に声をかけられているのを見てしまったからだろうか。別に、女性達にはそれなりに受け答えはしているようだったが、その誘いには全く靡いていなかった。なまえのもとに、ジュースを持ってすぐに戻ってきていた。
だが、それとこれとは話が別なのかもしれない。やはり、異性に声をかけられているのを見ると、それだけで気になってしまうのは事実で。


「(少しだけ、顔見に行こうかな。明日の時間も確認しなきゃだし!)」


自分自身に言い訳を重ねて、よしと立ち上がる。
ベッドから降りて、部屋を出る。改めて見る隣の部屋のあまりの近さに、これは隣の部屋に声が聞こえてしまうやつではと、特に大きな声を出すつもりもないがドキリとする。

インターホンの様なものは付いていない、ドアの前に立ち。右手で2回、コンコンとドアを叩く。

しばらく待つが、反応がない。
聞こえなかっただろうかと、なまえは首を傾げる。携帯をかけてもいいけどと思いながら、もう一度、今度は先程よりも気持ち強めにドアをノックする。

すると、何やら中で音がして(トイレ中だったのかな?)。ドアノブがガチャリと下がり、ドアが開いていき。
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