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花火 ー呪術廻戦ー

第1章 出会い


お尻の痛みと、突然の音と光。
そして若干ただよう火薬臭。「やっべ」と、誰かが呟いたのが、なまえの耳まで届いた。

「お前らっ!何をしている!」

何が起きたのか分からず、呆然と座り込んでいる彼女の頭上で、雷のような怒声が響く。


「傑が無限を見たいっていうから、ネズミ花火を無限にぶつける実験してましたー」

「ネズミ花火を提案したのは悟です」

「オマエのりのりだったじゃん」

「全く?」

「あ、てめぇ」


罪悪感のかけらも無い声が、聞こえて。
その内容に、私の足元で弾けたのは、ネズミ花火だったのかとなまえは納得する。そのまま、声のする方へとつられるようにして、顔を上げた。

まず目に入ったのは、黒髪の男子。オールバックの様に上げた前髪は、左が一筋垂れている。切長の目に、耳につけた黒いピアスが印象的だ。
そして、その彼と掛け合いをしているもう1人へと視線を移して、

思わず、息を呑んだ。

絹糸のように風になびく、白銀の髪。シャープな顎にに、悪戯気に歪められた口元。サングラスをかけているが、髪と同じ色のまつ毛で縁取られた空を切り取ったような青い目は隠し切れていない。パーツ配分が完璧。
イケメンだ。
そして、タイプだ。めちゃくちゃタイプ。

思わず見惚れるなまえの頭の中に、花が舞う。こんな素敵なイケメンと同級生なのか、と。不覚にも胸がときめく。

ふと、そんななまえの視線に気づいたのか、空色の瞳が、未だ床に座り込んだままの彼女に向けられた。ドキリと緊張して、視線が彷徨う。


「黒?顔に似合わず派出なの履いてんねー」

「悟、初対面の女子にそれはないんじゃない?」

「何、オマエ黒派?」

「やっぱ白でしょ」


だよなー、と。
通じ合う2人に、なまえはポカンと口を開けて。
そして、次の瞬間。
2人の会話が、自分のパンツのことだと気づき、顔から火が出るほど赤くなるのが早かったか、まくれたスカートを戻すのが早かったか。



ー え、パパ、パンツ!?私じゃなくてパンツ見てたのっ!?べべべ別に派手じゃないしっ今日は初日だし将来の彼氏いるかもしれないし気合を少し入れちゃったけど別に毎日こういうのをはいているわけじゃっ…! ー
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