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花火 ー呪術廻戦ー

第2章 初授業


強く腕を引かれて、転びそうになったのを何とか踏みとどまる。
その、自分が一瞬前までいた場所に、黒い棘のようなものが数本突き刺さっていた。
呪いだ、と認識してどこからだと周囲を確認する視界に、ナメクジを巨大化したような呪いの姿が映った。その一瞬後には、

パンッと音をたてて、呪いが弾け散っていた。

何が起きたんだと、脳の処理が追い付かない。
それぐらいに素早く、呪いは処理された。もちろん、なまえは何かするどころか、激情に気を取られて、接近していた呪いにすら気づいていなかった。
大きく見開かれた目が、まさかと、ブンと音がなるほど素早く自分の腕を掴むその人に向けられる。


「お・れ(はぁと)」


なまえの考えを肯定するように、自分の顔を指差してにっこり笑う五条。


「え…?」

「だからー俺が祓ったの。オマエは攻撃に気付いてすらいなかっただろ」


別に、強い呪いな訳ではない。
なまえも、あそこまで激情に囚われていなければ、攻撃にも気づいただろうし、一対一でも危なげなく祓うことができただろう。
だが、今のは。

今のは違った。

あんな一瞬で、あんな圧倒的に。


「嘘でしょ…?」


呆然とするなまえに、自慢気な顔を向ける五条。
どこか掠れた声が、なまえの口から溢れた。


「顔だけじゃ…ないってこと…?」

「あっ゛?」
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