第7章 麗しの君は 宇髄裏夢
$$$
「出来ました!」
「おぉ、派手で良いな!」
最初は縮こまっていた宇髄だが女装だと割り切ってしまうことにした彼は軒並みならぬ精神で立ち上がった。
彼は髪を下ろして、いかにも女性といった風情を装う。
片側にスリットが入っているワンピースのため、白い脚が露出しているのが、傍から見れば艶(なまめ)かしい。
加えて、目立つアイメイクを落とし、ピンクをベースにしたナチュラルメイクに。
ちなみに胸は……甘露寺以上じゃね?
「ちょっと歩いてくるわ」
$$$
街行く人が振り返る。
これぞ、俺。
とりあえず、三嫁の土産を用意していく。
雛鶴は簪だな。
「おっ?お姉さんえらく別嬪だな。安くしとくぜ?」
店主が声をかけてきた。
「あら、そう?なら、これ安くなる?」
裏声を使い、上目遣いで店主の動向を探る。