第5章 コラボ企画 鬼滅夢 『泡沫に蓮の華』
うぅ、恥ずかしい。
その後私たちは食事を共にし、後片付けの後、就寝する運びとなったのですが、当然屋敷には布団は一つだけ。
「だから使って良いと言っている」
「そんな厚かましいこと出来ません」
さっきからこのセリフはもう三度目。
私たちは布団で寝るのはどちらかを話し合っている。
巌勝様は客人だからと私に布団を譲ろうとする。
当の私はこの屋敷の主である巌勝様が布団を使うべきだと言う。
そんな感じでさっきからこの話題は平行線をたどっている。
巌勝様は優し過ぎる。
そんなでは、都合の良い勘違いをしてしまうではないか。
私は、今日会ったばかりの人を好きになって。
一晩だけとはいえ、お屋敷にまでお邪魔して。
これ以上を望んではきっと何か悪いことが起こってしまう。
「ならば……」
巌勝様の案に吃驚してしまい、私は動きを止めてしまう。
「へ?」