第5章 コラボ企画 鬼滅夢 『泡沫に蓮の華』
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数分経って那岐が目を覚ました。
見慣れぬ天井に違和感を覚える。
「あれ?」
服は着ている…
裸じゃない。
でも倒れたのは浴室のはず……
ということは…………
家人もいないし、夜着を着せて布団に運んでくれたのはあの人であると。
恥ずかしさで死んでしまいそう……
とりあえず体を起こすと、微かな水音がした。
どうやら私を運んだ後に、自身も湯浴みをすることにしたらしい。
ならば、私は今のうちに食事の準備をしよう。
幸いお米は有るようだし、屋敷の裏に山菜を見つけたので、茹でて灰汁をとばした。
おひたしにした蕨(わらび)を皿に盛り、味噌汁には芋と蕗(ふき)を入れ煮込んだ。
蕗は筋を剥くのが面倒だが、新しいものは繊維が柔らかく、程よい食感があるのだ。
「ちょっと質素だけど、これでいいかしら?」