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少年誌系ごちゃ混ぜ短編 R18

第5章 コラボ企画 鬼滅夢 『泡沫に蓮の華』


「帰らないのか?」

「帰れないんです。私、田舎から奉公に出てきて、ご飯の支度が出来れば良いって。でも、さっき……」

成る程。

さっきの男は奉公先の主人か。

時に人は鬼よりも鬼たらしめる時がある。

「お侍様。後生です、今夜一晩だけお侍様のお屋敷にご厄介になってもよろしいですか?」

「………先ほど、男に対して嫌悪したのではないか?」

「………ですが、お侍様は…私を……」

「勘違いするな。俺は守った訳ではない……容易く他者に心を許すことは…」

娘は泣いていた。

ポロポロと大粒の涙を溢して。

「……私、家事くらいしか取り柄がなくて……子供を産んだ訳じゃないから、乳母にはなれないし……」

パサ。

娘の頭に羽織をかける。

「すまない、泣かせるつもりは……今日はもう日が暮れる。屋敷に来るか?」

「良いのですか?」

「先のような被害に合わないためにも今日の宿は提供しよう……」

少々無愛想だが、このお侍様は優しい方だ。

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