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少年誌系ごちゃ混ぜ短編 R18

第5章 コラボ企画 鬼滅夢 『泡沫に蓮の華』


「捕まえたぁ……」

ガシッ。

「いや!お許し下さいませ!」

とうとう娘が男に押し倒された。

面倒なことに、俺の目の前で。

「旦那もどうです?ほら、よく見たら上玉でしょう?」

「いや!お侍様、お助け下さい!」

「失せろ……」

巌勝の一言に男は空寒さを覚えた。

何だ……?

ただの武家の者ではない。

巌勝のただならぬ気迫を感じて、男は娘を置いてきぼりにして逃げ出した。

娘はしばらく呆けていたが、乱れた着物を手繰り寄せて、巌勝に礼を述べた。

「ありがとうございます、お侍様……」

「礼など要らぬ……」

巌勝は娘に目もくれず、再び木刀を手に構えた。

娘はその場を動かなかった。

そのまま、巌勝が木刀を振るうのを止めるまで娘はそこにいた。

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