第1章 見果てぬ恋 リクエスト鬼滅 累夢
〇〇〇
ガラっ。
空き家の戸が急に開いた。
那岐「冨岡さん…」
義勇「漸く見つけた、那岐」
那岐「っ……累、逃げて!」
累「那岐!」
ザシュ。
戸口にいた冨岡さんが音もなく移動して意図も容易く累の頸を切った。
何が起こったか分からなかった。
那岐「累!」
がんっ。ずしゃ。
冨岡さんに押さえ込まれて累の元へ行けない。
義勇「お前は拘束する」
那岐「離して!累!ねぇ累!返事して!ねぇ!」
斬られた。頸を。
あぁ、僕はこのまま死ぬんだ。
那岐「累!」
どうせ死ぬなら、君の腕の中が良かったな。
累「……那岐、あり…がと…」
私の目の前で累は灰になった。
那岐「……いや、いやああぁぁーっ!!累、累!!」
義勇「喚くな。あれは鬼だ」
那岐「ただの鬼じゃありません!累は…累は……」
義勇「どうして、逃げた。あの日。逃げなければ…」
那岐「逃げなければ何ですか?累を見逃してくれたんですか?しませんよね、冨岡さんは。弟を殺した私と同じだから……」