第1章 見果てぬ恋 リクエスト鬼滅 累夢
義勇「何?」
冨岡さんに助け出された私と弟には身寄りがなく、二人生きて行く為に私は鬼殺隊員になり、久方ぶりに帰郷した際に変わり果てた弟の姿を見て驚愕した。
弟は鬼になっていた。
正気を失っていた。
私のことも覚えておらず、ただ餌が来たと言わんばかりに涎を垂らして向かって来た。
那岐「弟が鬼になったのは去年の暮れです。弟は土地勘のない旅人を喰らっていました。これ以上被害が広がらない様に私が殺しました……」
する。
私の話を聞いている間に冨岡さんの拘束が緩む。
すく。
立ち上がり、累の灰を掴み上げる。
那岐「鬼はうかばれませんね。弟も、累も……」
はっ。
ばっ、ザシュ。
抜き身だった冨岡さんの日輪刀に飛び込み、腹に突き刺す。
義勇「馬鹿が!…呼吸を使え、出血を止めるんだ」
那岐「止めないで下さい。これで、あの子達と同じ所に行けるんです……」
義勇「自ら生きる事を放棄するのか」
那岐「私は奪うことしか出来なかったから、その報いを受けるんです。げほっ…」
ごぽりと血を一緒に吐き出して、私は事切れた。
終了。