第1章 見果てぬ恋 リクエスト鬼滅 累夢
那岐「あぁ、ごめん。寝ちゃてた」
『欲しい』
何がとは分からない。
ただ、今目の前にある僕の唯一の繋がり。
累「那岐だっけ?」
那岐「うん。そう、私那岐!」
やった。名前呼んでもらえた!
累「累。僕の名前…」
那岐「累、良い名前だね」
そう言って笑う君がもう浴びることのできない陽光のようで。
胸が締め付けられるようだった。
那岐「行こっか」
〇〇〇
それから私たちは山を降りた。
何処でも良い。
替わりの隠れ家を探さなくては…
日中は累に布を被せて篭に入れて私が背負って運ぶ。
途中、空き家を見つけたらそこに逗留するようにして、移動を続けた。
那岐「もう、出てきて良いよ」
累「……那岐」
山から移動するようになってから、累が人を喰らうことはなくなった。
代わりに、私の血を飲むようになった。