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少年誌系ごちゃ混ぜ短編 R18

第12章 空蝉の頃$(不死川&煉獄裏)


「杏寿郎様、もう。髪がぐしゃぐしゃになってしまいます」

「悪い悪い。だが俺としてはこうして、君と触れあえる事が嬉しいんだ」

「ずるいです。杏寿郎様…///」



むぅと不貞腐れた顔をする彼女に煉獄は続ける。



「今の俺があるのは君のおかげだ。改めて礼を言わせてくれ」

「頭を上げて下さい、杏寿郎様。運が良かっただけですよ。私だって…助けられなかった…方たちがいるんですから…」

「藤姫殿…」

「私は姫じゃありません。ただの慰み者です…」



ぐっと抱き寄せられる。



「今まではそうでも、これからは違う。近い内に必ず君を嫁に迎えるからな」

「杏寿郎様…でも、私…」

「俺は本気だぞ?」



その目に見つめられると、何もかも、熱で溶かされてしまいそう。



「何が本気だァ?クソが」



背後からの声に振り返れば、不機嫌そうな顔で現れた彼を見て那岐が声をかける。



「不死川様」

「おい、那岐。行くぞ?」

「はい…」



那岐が煉獄家と不死川の屋敷を行き来するようになったのは、半月程前からだ。


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