第8章 鬼滅 誕生月を迎えられた貴方へ捧ぐ 宇髄裏夢
それって…
「私、おかしいですか?」
ほんの少しだけ潤んだ瞳を向けられる。
「いや、それはおかしくない。だから……那岐、俺のとこに嫁に来ないか?」
「……?…でも、宇髄様には奥様たちが…」
まぁ、無理もねえよな。
嫁たちの事考えれば。
だけど、俺も譲れねぇ。
「アイツらは俺にとっては家族だ。嫁じゃなく、姉や妹みたいなもんだ。実際親戚もいる」
「私…」
「その先は俺に言わせてくれ。俺は那岐が好きだ」
これが今の正直な気持ちだ。
「……も」
涙ぐんだ瞳をこちらに向けて、那岐は俺に、はにかんだ笑顔を見せた。
「私もです」
正直、むちゃくちゃ可愛かった。