第8章 鬼滅 誕生月を迎えられた貴方へ捧ぐ 宇髄裏夢

「あー会いてぇ」



この所、任務続きで藤の花の屋敷に出向いていない。
というか、新人と違って怪我もあまりしないし。

あの日、まさか那岐に告白されるとは思っていなかった為、藤の花の屋敷の近くの茶屋で俺は飲んでいた茶を落としかけたのだ。



＄＄＄



「何でアイツだけ"さん"付けなのか考えたら答えが出るんじゃねえの？」



団子を食いながら、那岐の相談にのっていた俺は口の中にある団子を飲み込もうと茶を手に取った。



「あの、宇髄様。それなら……私が宇髄様の隣に居る時どうしてこんなに鼓動が速くなるかも分かりますか？」



ごく。



「へ？」


何で、俺……？


「私、冨岡さんと居る時よりも……宇髄様と居る時の方が胸が騒ぐんです」