第3章 五条君
開放された腕で、なんとか私のショーツに手をかける悟の手を掴むが、
「おいおい、マジ?まだ敵うと思ってんの?
まあ、でも、そういう力ない抵抗?お前に限ってはそそるわ」
『なっ、あっ…や…』
オオカミに捕まえられたウサギってこんな気持ち…?
どんな抵抗も意味をなさないなんて…
ゆっくりと下げられたショーツに、恥ずかしさで必死に脚を閉じて顔や胸を腕で隠す。
そんな私から彼は少し離れて上体を起こすと、
「絶景かよ」
なんて意味の分からない言葉を呟きながら、口角を上げていた。
「俺に触られんの、嫌?」
『…はずか、しい』
「はぁ?イエスかノーの質問ですぅ」
『………の、ー…』
「聞こえねーよ」
『…やじゃ、ない…』
恥ずかしすぎておかしくなるんじゃないかと思いながらも、彼の顔を盗みみれば、満足そうに微笑んでいて…
その顔が綺麗で、心臓が高鳴ってしまう自分が嫌になる。
「恥ずかしいの、忘れさせてやるよ」