第7章 伏黒君
ぎゅっと瞼を閉じてそう言えば、伏黒君がフッと目と鼻の先で笑った声が聞こえて、びくりと身体が揺れてしまう。
恥ずかしい…!
心臓の音大きすぎないかな?伏黒君に聞こえちゃってる…?
「肩の力抜いて」
『う、うん…伏黒く、んっ…ふ、ぁ』
彼の名前を呼んでいた最中に重なる唇。
初めての柔らかな感触に後ずさりしようとすれば、紙を持っていた方の彼の腕が腰にまわって引き寄せられる。
!!
食べられちゃうかと思った…
彼が触れている腰から背中に甘い刺激が行き渡っていくのを感じながら、瞼を開けば、再び唇が重なっていて、
『んっ、ぁ、んん!…ふし、ぐろ、く…』
「大丈夫か?」
『ひぁっ!そこで喋っちゃ…!』
今度のキスはさっきよりも長くて、彼の舌が私の口内を掻き回していく。
何、これ…
彼の身体が少し離れたかと思えば、今度は耳にかかる彼の息で身体が大きく揺れて、"恥ずかしい"以外のことが考えられなくなっていく。
「耳好きか?…神楽、もっと声聞かせて」
ちゅっ、れろっ、ちゅぅ…
『んっ!や、みみ、やだっ!ぁ、んん!』
耳のまわりや奥を彼の舌が音を立てて舐めていき、脳内に恥ずかしい水音が響き渡っていく。
脳を掻き回されてるような感覚。甘い刺激が全身を駆け回って手足から力が抜けていってしまう。
もう立ってられないよ…