第5章 夏油君と五条君
一瞬のことすぎて何がなんだか分からなかったけれど、夏油君に後ろから抱きしめられていたはずなのに、気付けば悟に毛布ごとお姫様抱っこをされていた。
前にもこんな事あったような、なんて一瞬思い出して目を開けば、以前と同じようにやっぱり悟の部屋で…
滅茶苦茶…!
『きゃぁっ!』
「おい、傑と何してやがった」
また、ベッドに投げ捨てられた…!?
それに前より雑…ていうか怒ってる!!
ふわりと布団に包まれると、急いで毛布を押さえて上半身を起こす。
『さ、さと…ンッ!!』
「質問に応えろ」
悟もベッドに乗り上げ、私の手首を顔の横で縫い止めた。
さらに私の敏感な場所を膝で押し上げると、顔を近づけニヤリと笑う。
これ、だめ…!
綺麗な翡翠色の瞳に吸い込まれそうになりながらも、なんとか口を開けば、
『ま、前に、げと、君に助けられて…!
それ、で、今度、お礼貰いに行くって…』
「へぇ?それで?」
『きょ、今日、誰か来て…しょこ、ちゃんかと思ったら…』
「ふーん、なるほどねぇ」
『ひゃっ、さと、る…なんで、怒って…!』