第5章 審神者と一緒にお勉強$
「で?どうだったんだい?検定とやらの出来は」
「長義が教えてくれた通りにしたら、計算は大体合ってたから手応えはそれなりに…?」
机の書類をまとめながら、長義に手応え有りの報告をすると……
「へぇ。じゃあ褒美を貰おうかな」
「え?でも、まだ結果は出てないよ…」
「ふーん?結果はいつ出るんだい?」
「えっと全国統一だから、大体四ヶ月後だね」
指折り数えながら答えると長義が見るからに不機嫌そうな顔をする。
「随分と結果を長いこと焦らすんだな」
「仕方ないでしょ、全国でその日に合わせて何人も検定を受験するんだから。終わってさっぱりしたー!」
ぐいーっと体を伸ばす彩羽。
「………なら、やっぱり褒美は今夜貰いたい」
「今夜?直ぐに用意できるものなんて無いけど?」
「夕餉が終わったら、自室で待って居てくれ。一人でだよ。いいね?」
「えー、短刀達と百人一首しようと思ってたのに」
「懲りないね、君も。前に途中参戦した歌仙に負けていたじゃないか」
「あれは……確かに凄まじかったけど……」
テスト前の息抜きにと開催した短刀達との百人一首大会に歌仙が飛び入り参加し、優勝を掻っ攫ったのである。
因みに読み手は鳴狐。
韻の踏み方が独特で、妙に気が抜けない勝負だった。