第2章 2~少女連続誘拐事件~ ※裏あり(沼の鬼)
私の声で炭治郎くんは外へ駆け出していく。
土の中を移動する鬼なの?どうやって女の子を掴まえて…
私は何も残ってない布団を見てしゃがみ込んだ。
「…少し濡れてる?」
少ししめってる布団の箇所を凝視していると、突然池のような物が現れ、そこから手が伸びてきた。
私はとっさに刀に手をやったがその前に伸びてきた手に引っ張られ、池の中に引きずり込まれてしまった。
「ぅ………」
目を開けるとそこは、池の中のような場所だった。
不思議、息ができるのね。
当たりを見渡してみると、少し遠くに先程さらわれたと思われる女の子の姿があった。
あれは!
女の子の無事を確認し、一安心するも、出口が見当たらない。
どうしよう…
私は自分の日輪刀を抜き、構えた。そして桃色の日輪刀を振る。
「夢の呼吸、壱の型、夢幻月!」
私の斬撃によって、空間に歪みが出来た。
向こうになにか見える…あれは、炭治郎くんだ!
私が女の子を上へ押し出すと炭治郎くんが女の子を救いあげてくれた。そして炭治郎くんは私に気づき、私へと手を伸ばす。
私も炭治郎くんへ手を伸ばしたそのとき、何かに足を掴まれた。
「っ!」
鬼だ!そこには3匹の鬼がおり、私を奥へ引きずり混む。歪んでいた空間も元に戻り、出口も塞がってしまった。
「おぉ、これがあの」
「あぁ、あの女だ」
「早くやろう!」
「まて、焦るな兄弟まずは上の邪魔者の始末が先だ。」
鬼が話してる間に切りかかろうとすると、1番冷静な鬼が私の腕を掴んで取り押さえる。
鬼のうちの1匹は地上へ出ていったが、残り2匹が私を囲んで取り押さえている。
「さぁ、宴の始まりだ」
残った2匹の鬼は同じ顔、同じ格好をしている。片方は冷静に話せるが、片方はあまり話の通じなそうな相手だ。
まぁ、鬼相手に話も何もないのだが…
しかしここ、空気が薄い…
水のようなものの中でも呼吸は出来るが、空気が薄かった。話すことも出来ない。
私が暴れると、私を取り押さえていた話の通じなそうな方の鬼の力が強まった。
刀を振ろうと、手に力を込める。すると冷静な方の鬼がそれに気づき、私の手首に打撃を入れた。
「っ」
痛みと衝撃で私は刀を手放してしまった。