第1章 1~少女は旅立つ~
『北西へ、北西へ』
鎹鴉が私を誘導してくれたおかげで、私は竈門炭治郎くんのいる街へたどり着いた。きっと聞き込みをしてれば出会えるだろう。
この街は最近若い女性の行方不明事件が多発しているという。きっと鬼の仕業だろう。早く見つけて退治しなければ、次の犠牲者が出てしまう。
聞き込みをしようと人に目をやると、市松模様の着物をを着て、大きな箱を背負っている少年を見つけた。
隊服を着ている。きっと竈門炭治郎くんだ。私は竈門くんらしき人に近づいた。
「あの…君竈門くん?」
少年はニコッと笑うと元気よく「はい!」と返事をした。
「竈門炭治郎です!如月さんですね!鎹鴉から聞いています!よろしくお願いします!」
90度のお辞儀をして笑う炭治郎くん。私は頬が緩んだ。
いい子なんだろうなぁ
「うん、よろしくね。炭治郎くん何歳?」
「15です!」
「そっかそっか、じゃあお姉さんが団子を買ってあげようね。」
「ありがとうございます!!」
元気よく返事を続ける炭治郎くんに私は近くの茶屋で団子をご馳走した。炭治郎くんは美味しそうに団子を頬張りながら、今まであったことを話してくれた。
というか、炭治郎くん私の体質のことどこまで知ってるんだろう。
「炭治郎くん」
「はい」
「私のことどこまで聞いてる?」
「えっと、なんかこう、すごい力を持ってるって!」
「あ、うん、そっか、ありがとう」
全然聞いてないんだな。まぁ、話すような事でもないし、いいかな。この子まだ15歳だし。
それから私たちは少女連続失踪事件について調査していくうちに、婚約者をさらわれたという青年と出会った。
現在、次に狙われる所に当たりをつけ、見張っている。
鬼が来ればすぐに分かる、炭治郎くんのように嗅覚がいい訳では無いが、私は本能的に鬼の存在を感じることができる。もう近くまで着てる。
「炭治郎くん気をつけて、すぐ近くにいる」
「はい!」
その時、見張っていた家の中から鬼の気配がした。炭治郎くんも気づいたようで、2人でその家の女の子の部屋へ突撃する。
「っ!」
そこには誰も居らず、布団だけが乱れて残されていた。鬼の気配も家の中から外へ移動している。
「炭治郎くん!外!」
「はい!」