第4章 4〜那田蜘蛛山〜※裏あり(蜘蛛の鬼(兄)、累)
「…………」
目が覚めると、そこは御館様の御屋敷だった。傍には御館様が座っている。
「起きたのかい」
優しい声が響き私は体を起こした。
「御館様……」
「大変だったね」
「あの、私どうしてここに
……」
「気絶している君を義勇が見つけてくれたんだ。」
「そう、だったのですか……」
「1週間寝たままだったから少し心配したよ」
「ご心配おかけして申し訳ありません。」
「いいんだよ、もう少し休んでるといい」
「いえ、十分に休ませていただきました、これで次の任務に向かいます。」
「そうかい?無理はしないようにね」
「はい」
私は立ち上がり御館様の部屋を出る。そして仕度を整えると、鎹鴉の指示の元、炭治郎くんたちと合流するため、走り出した。
私は藤の花の御屋敷の前で、今出発したと思われる炭治郎くん達を見つけ、声をかける。
「炭治郎くーん!」
私の声に気づいた炭治郎くんは、手を振りながら私の元へかけてくる。一緒に黄色い髪の少年と、猪の被り物をしている少年いる。
「如月さん!無事だったんですね!」
「えぇ、炭治郎くんも無事でよかった。」
私の言葉にニコッと笑う炭治郎くんの後ろで目をキラキラさせている黄色い髪の少年と表情は分からない猪の少年に私は目線を合わせて笑った。
「我妻善逸くんと嘴平伊之助くんだよね、私は如月ゆい、よろしくね」
「よ、よろしくお願いします!」
善逸くんは声が裏返りながらも頭を下げて言った。
緊張してるのかな?
「ふん!俺の足引っ張るなよ!」
伊之助くんも嫌がることなく、受け入れてくれる。私たちは4人で次の任務に向かった。
鎹鴉の指示で着いた山は、山中から鬼の気配がして、鳥肌が立った。
道中ずっと行くことを嫌がっていた善逸くんは、山のふもとに着いて騒がしさが増す。
「いやぁぁぁぁぁぁあ、やだぁぁぁぁぁあ!!!!」
「ぜ、善逸……落ち着いて……」
叫び出す善逸くんを炭治郎くんはなだめて落ち着かせようとするも、善逸くんは聞く耳を持たない。
私も声をかけようと口を開くと、山の中から悲鳴が聞こえた。
「きゃぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!」
炭治郎くんも伊之助くんも声が聞こえた方向へ一直線に掛けていく。
「え、あ、え!?」