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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第63章 紫電の言伝を茜色の君へ



「今がそうだよって」
その言葉の後にはとびきりの笑顔。瞬間、小さく心臓が跳ねた。



俺には敵わない。
君はいつもそう言うが、それは七瀬にも言える事だな。


“俺も君には敵わない”



「七瀬、君の髪が俺より長くなったら簪を送りたい。受け取ってくれるか?」
「………あ………はい」

意味を察したらしい彼女は恥ずかしそうな様子を見せたが、それでもまた笑顔を自分に向けてくれた。


「杏寿郎さん」
「どうした?」

「………大好きです!」
「俺もだ………」

そう返事を発すると同時に七瀬からの口付けが俺の唇に届く。

君からの口付けはいつもあたたかく、そして強さをくれる。
俺は愛しい人が与えてくれるたくさんの愛情を口元に感じながら、心に誓った。

自分の心の炎が燃え尽きるその時まで七瀬を全身全霊で守り、そして愛し抜く。

“炎柱……お願いします”
桐谷くんの声が何処からか聞こえたような気がした。


七瀬と出会わせてくれた………

“雷の君に安らぎを”




——— そして。

「今日は本当に良く晴れてますね。五月晴れって正にこの事ですよねぇ」
縁側から庭へ出た彼女が、右手を太陽に向かって真っ直ぐと伸ばす。

「あーこの太陽、掴めたら良いのになあ………」

その発言に自分の心と顔が綻ぶ。
俺は恋人を後ろからゆっくりと抱きしめ、頭頂部に顎を乗せた。

右手は空に伸ばしている右手に絡め、左手は彼女の小さな左手に重ねれば、七瀬がふふっと小さく笑う。


君の心にも澄み渡る青天の空が広がっているように。
そんなささやかな思いを込めて、俺はこう告げた。

「うむ!今日も良い日だ!!」




















八雲晴れるその時に 心炎灯る朝日の光


八雲流れるその先に 心炎輝く希望の朝日





















end.




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