第59章 2人の炎をあたためて ✳︎✳︎
「浴室だと、皮膚が柔らかくなる故に咲かせやすいな」
七瀬の顔が一気に赤くなり、下の割れ目からとろ、とろと愛液が再び流れ出した。
「うむ、やはり解さずとも十分だ」
充分とは言ったが、いつでも愛でたい部分だ。再び指を2本侵入させ、膣壁の感触や温度を確認していく。
「やっ…あ、」
「七瀬、まだそんなに締めないでくれ」
入れて間もないのに、かなりの力で圧がかかる。
「そんな、事言われて…も、あっ」
再びきゅっ、きゅっ、と締め上げる肉壁だが悪くない感触だ。
「君に求められるのはもちろんいつでも歓迎だが…もう少し味わいたい」
すまんな、もう少しだけ君のここを堪能させてくれ。
グッ……と中を押し広げれば、その透明な雫は滝のように勢いを増していく。
「んぅ……」
瞬間 —— 自分を求めている声色が彼女の口から切なげに漏れ出た。
「口に出してくれないと俺はわからないぞ?」
右足首を掴んでいた左手を恋人の唇に移動させる。
触れて、撫でて、発言をうながす。
君の口から君の言葉で、求められたい。
「杏寿郎さんと………………ひ、」
ここで言葉が一旦引っ込むが、彼女は右手で手招きをし、俺に近づくようにと促す。
聞かせてくれ。七瀬………
自分の右耳を彼女の口元に寄せると、意を決したようにその唇から言葉が紡がれた。
“杏寿郎さんと1つになりたい”
“承知した”
了承の返事をした俺は恋人の唇を一度吸い上げ、音を響かせ始めたと同時に2指を抜く。
それからまた質量を増した自分の昂りをグッ、グッ、とゆっくりと侵入させた。
「んっ、はあっ、きもち…はぁ、いっ……」
「あぁっ…俺も…んっ、おな……じ、だっ」
2人の声と結合部から聞こえる音が浴室によく反響する。
そしてまた空間に舞う湯気が気持ちを上昇させる。
はあっ、と今夜の情事の中で一際大きな息を吐いた途端。
勢いよく後ろに引いた男根から、今までとは比較にならない程の白濁が七瀬の左足に放たれた。