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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第59章 2人の炎をあたためて ✳︎✳︎



七瀬は最後に湿りがある場所を小さな舌で辿った後、右手の甲で口元を拭った。
気持ち悪くはないのか。気になるところだ。

肩を上下させ、ゆっくりと。そして深い呼吸を1つ吐くと、俺の隣にぴったりと寄り添って来た。
視線を向けると、はにかむような笑顔を見せて来る。



「……大事ないか?」
「……はい、問題ないですよ」

良かった。心から安堵した。
それから彼女は俺にぴったりと体をくっつけ、心臓の位置に左耳を当てて来る。これは七瀬が最近よくやる行動だ。


「………………」
「………………」

沈黙が再び訪れるが、俺はまた気になってしまう。

先程と同じように寝そうになっているのではないかと。
もちろんそうなってしまうぐらい心地よさそうにしているのは嬉しいし、ありがたいが。

すっ……と桃のようなお尻を撫でてみる。


「わ!びっくりした……」
反応があった。良かった、起きていてくれた……。

「すまん」
そう俺が言うと、”仕方ないなあ” そんな表情でこちらを見てくる七瀬だ。


「そろそろ君の中にはいりたいのだが」
「あっ……えっと………はい……」

恋人の顎を優しく掴んで短い口付けを届けると……


「口付けもたくさん下さい……あなたのここが私はとても好きです」

トントン、と先程自分が彼女にやった行為と同じように、右人差し指が唇に当てられた。


「ここだけなのか?君が好む所は。俺は先程も言ったが、七瀬の全てが愛おしいぞ」

「もう、またそう言う事を言う………」
「ん?」
「……………」

自分の事で困っている七瀬がもっと見たい。


「杏寿郎さんの見た目も性格も………その……」
「どうした?」

彼女の左頬を包み、愛らしい唇をそっとなぞると、七瀬は俺の腰の曲線を両手で上から下に撫でて来た。


「この体躯も……あなたの全部が私は大好きです……」
「光栄だな、君にそこまで言ってもらえるとは」


「愛している、七瀬。俺も君が大好きだ」
「んっ……」

かけがえのない君には”好き”も”愛している”も、何度だって伝えたい。



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