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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第59章 2人の炎をあたためて ✳︎✳︎


「んっ、はあっ、きもち…はぁ、いっ……」
「あぁっ…俺も…んっ、おな……じ、だっ」


お互いの声と結合部から聞こえる音が反響し、2人だけの時間、空間までも特別な物になった感覚がする。


浴室に舞う湯気がまた私達の気持ちを上昇させ、杏寿郎さんがとても色香を含んだ吐息をついた瞬間、勢いよく後ろに引かれた男根から放たれたのは、今夜昂った中でも一番ではないか。


そんなおびただしい量であろう白濁が床板についていた私の左足に広がっていて、体の温度をまた上げる。
ゆっくり目を開けてそれを確認すると、何だか微笑ましくなってしまった。


「はあ、はあ… どうした?」
私の右足をゆっくり下ろした杏寿郎さんは息を整えながら、珍しくとろんとした双眸をこちらに向ける。

ドクン、と今宵1番。
私の心臓が海面から勢いよく飛び跳ねるトビウオのように躍動する。


「いえ……綺麗だなあって……」
「?俺がか…?」

「……はい」
「後で聞かせてくれ」

左足についている白濁を湯船からすくってくれたお湯で洗い流した杏寿郎さんは、次に石鹸であわ立てた手拭いで私の体を綺麗にした後、自分の体も綺麗に洗う。

そうして予定より長くなった湯浴みを終え、恋人の部屋に行った。








「して、俺が綺麗とは?宇髄や冨岡がそう形容されるのは納得が行くのだが……」

千寿郎くんが用意してくれた敷布団に2人隣り合って横になっている中、先程の疑問を再度私に聞いてくる杏寿郎さんだ。


「いえ、杏寿郎さんは綺麗ですよ。顔立ちは勿論、呼吸もそうだし、あの……」

“体躯も…”
ここはコソコソっと早口で捲し立てるように、彼に伝えると当然のようにくつくつと笑われる。



「とにかく息が止まりそうになりましたからね」
「奇遇だな、俺も実は……」
コソコソと私の左耳に耳打ちをして来た杏寿郎さんにドキッとさせられた。


「えっ、あの時ですか?」
「ああ、正直呼吸をするのを忘れそうになった」


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