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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第57章 緋星(あけぼし)喰われしその時に、心炎で天蠍を衝け ✴︎✴︎


私の左横では千寿郎くんが、ペルセウス座流星群について先程から話している最中だ。

彼の左にいる槇寿郎さん、そして私と千寿郎くんの間に移動して来た杏寿郎さんは「ほう!」やら「確かに似ているな!」などなど、しきりに感心しながら合いの手を入れている。


千寿郎くんが2人に話している神話を私からも説明しておこう。尚、西洋の神話の為、これから片仮名が多少出てくる事は避けられない。
故に、そこは了承して頂きたい。


—— ペルセウス。

これは男性の名前である。彼はとある男神と女神の間に生まれた。住んでいる島の領主から怪物を倒してその首を持ち帰れ、と言う命を受ける。

その怪物とは髪の毛が蛇で、その双眸に映る者全てを石に変えてしまう……メドゥーサなる女だ。
ペルセウスは兄や姉の助言を受け、見事に怪物の首を持ち帰る。

そして海の怪物の生贄にされようとしていたアンドロメダ、と言う姫君を救った。

要約すると、こんな内容の話である。


「俺はこの話を初めて知った時、ペルセウスが須佐之男命と重なったんです。アンドロメダ姫は八岐大蛇の生贄にされようとしていた奇稲田姫(くしなだひめ)のようだなあと」

「そうそう、メドゥーサの首は鬼の頸とも取れるしね。海の怪物が正に八岐大蛇で…」

一通り、話しを終えた千寿郎くんの言葉に私はそう付け足した。

「星座と言う物はなかなかに、奥深いな」

「私も本当にそう思います。星と言う漢字は”生まれた日”と書きますからね……」

「なるほど、確かに言われてみればそうだ!」

杏寿郎さん、槇寿郎さんがそれぞれ感想を漏らすと、千寿郎くんがそろそろ就寝します…そう言いながら持っていた本を閉じて私に渡す。

「では俺もそろそろ……」
「はい、おやすみなさい。今日はお2人とご一緒出来て良かったです」


槇寿郎さん、千寿郎くんにお礼を伝えると2人は自分の部屋に戻って行った。


そして、その場に残されたのは私と杏寿郎さんのみである。




「気を遣って下さったんでしょうか」
「……かもしれんな」
私の左手に彼の右手がそっと絡む。



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