第52章 柱稽古に八雲挑む、の巻
蟲柱との柱稽古……
「……足を捻ったり痛めた場合は、こうするととても良いですよ。そうそう、いつだったか捻挫をされて蝶屋敷にいらっしゃった時がありましたよね」
「あれを思い出して下さると良いかもしれません」
蝶屋敷の客間にて。
座卓に向き合って私はしのぶさんから戦闘中に受けた怪我や傷についての座学を受けている。
“突き技の強化は私より、冨岡さんの方が適任ではないでしょうか”
しのぶさんと言えば突き技。
真っ先に思ってお願いしてみたけれど、開口一番。そう彼女に言われてしまった。
代替え案として、怪我と傷の対処法を教えてもらう事になったので、こうしてしのぶさんから知識を授けてもらっている。
「そろそろ休憩にしましょうか。せっかくだからみんなも呼んで楽しくやりましょう?」
それからカナヲ、アオイちゃん、すみちゃん、きよちゃん、なほちゃんも客間に集まって女子だけの賑やかな甘味時間を過ごす。
「頑張って下さいね。当日はカナヲと一緒に向かいますから」
「はい、ありがとうございます」
失礼します…と玄関前で見送ってくれた皆に頭を下げて、蝶屋敷を後にする。
和綴じの記録帳に座学の内容を、5ページに渡ってびっしりと書き込んだ。
今日しのぶさんから教えてもらった座学をお守りにしようと心の中で誓って、私は煉獄邸に帰宅した。